聖巻観世音菩薩

の縁起


この菩薩様の縁起は次の通りです。

昭和61年に

「妙江会」が開堂し、大曼荼羅御本尊、日蓮聖人像が初めにご遷座し、その11月に一心寺の要となる聖巻観世音菩薩が不思議なご縁でご遷座されました。観音様が一心寺に鎮座された経緯は、こうです。


 中島法尼がお仕事で会社にいる時に1人の初老の男性が入って来て、開口一番、「あーやっと着いた。観音様を祭ってくれ」と言ったのです。何の事やらさっぱり分からず、詳しくお話を伺うと、その男性は、元々真言の僧侶の方でしたが、還俗をしていました。ある日、彼が早朝出勤の道中に、道端のゴミ箱の上に捨てられていた観音菩薩像から、「おい、祭れ」と声を掛けられました。彼は、「還俗した身ですので祭り続けることが出来ません」とお断りをしたのですが、出勤の度に毎回声を掛けられます。「まあ、そのうちいつかゴミ収集車に拾われるだろう」と思っていましたが予想に反し、2~3週間経過してもその場所で鎮座されたままです。そのうち、毎朝三時に勤行をしている御宝前に観音様が仁王立ちで現れ、「祭れ!」と言われ、それから十八年間お祭りされたそうです。

 そしてその男性自身、そろそろ彼岸に帰る時が近づいたと思っていたら、

「西へ行け、西へ行け」と

お声がけがあり、西へ西へと進み、中島法尼の会社に辿り着いたということです。


 中島法尼は、「観音様に失礼があったら申し訳ないので」とお断りをしましたが、その男性は、「観音菩薩が良いと言っているので良いのじゃ!」と言われ、有無を言わせぬご縁で観音菩薩をお祭りする事になったのです。


 何とも言えぬ不思議なご縁でお祭りをしたこの観音菩薩様が、多くの信徒の病気や事故の難を救い、中島法尼にも様々な指南をされました。